「勉強には色々なやり方がある」というお話です。ココでは英語について書いていきますが、他の教科の勉強でも参考になると思います。
初めに目指すところでやり方は変わってくると思うのでタイプ分けをしてみます。「とりあえず定期テストをどうにかしたい」や「将来は外国の人とコミュニケーションがとれるようになりたい」などいろいろあると思いますが、大きく分けて次の3つの目標レベルになるのではないでしょうか。
①定期テストレベル
②受験レベル
③英語が使えるレベル
では、「この3つのレベルと勉強のやり方」について少し考えてみたいと思います。
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定期テストは機械的な努力でもどうにかなることが多い
①定期テストレベル
大半の学生がまず目指すのはこのレベルでしょう。この中には、とりあえずテストの点数が上がればいいという方がいると思います。
ちょっと過激な言い方かもしれませんが、点数を上げるだけなら深く考えずに手や口を動かせば定期テストはどうにかなります。「なんのため?どうして?」など考えない。ただひたすら教科書や問題集の英文を何回も読んで、何回も書けばテストで60点は取れると思います。
「考えたり調べたりするのはめんどくさいけど、とりあえず定期テストの点数を上げたい」という場合は、まずはこの方法をやってみてください。
人によってばらつきはあるでしょうが、教科書を5回音読し書きうつす、英単語なら1つにつき10回×5セット書くといった感じでやればどうにかなると思います。
ただし、この方法の注意点があります。それは詰め込める量に限界があることとすぐに忘れる可能性が高いこと。定期テストはできるけど、受験では難しいでしょう。(全く解けないというわけではないけどせいぜい4割取れたらいいぐらいでしょうか。)
This ( ) a pen.なら( )にisがはいるは答えられるけど、英語の文章は殆ど読めないままといった状態。私自身も中学生、高校生のときはこの程度で、受験英語の長文は悲惨でした。典型的なテストはできるけど実力が付いていないパターンです。
その上で、一つ一つ理解しながら定期テストに臨んで受験で6割以上とる②、コミュニケーションをとれるようにする③というのであれば別の努力が必要になってきます。
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意図的な努力が必要
①と②の間には大きな違いがあります。その差は、「意図的に(自分から)努力する」かどうかという差。もちろん、音読したり書いたりもしますがそれに加えてほぼ毎日何かしら英語の時間をつくる、わからないところは自分で調べる、定期的に実力を測るテスト(英検やTOEICなど)をうけるなどなど意図的な学びがあります。
さらに受験レベルを超えて「③英語が使えるレベル」を目指すようになってくると勉強を楽しむすべを持っていることが多いです。これは誰かに教えられたものではなくて、自分で発見した楽しさです。遊びと同じような感覚になることもあります。
志望校に受かるのが目的ではなくて、その先を見ています。なので、自ら英語のある環境に飛び込んだり、細部にまでこだわって発音練習したりします。塾でも高校の英語科に通っている生徒がいますが、留学をしたり、塾でも英語のディベートの練習を一緒にしたりしています。
この差は一体何なのか?どうすれば変わろうとするのか?といったことは次で考えてみたいと思いますが、少し引用をのせておきます。
❝自分の価値がもう決まってしまったように思った経験はないだろうか。テストで赤点をとった、人に冷たくあしらわれたなど。そのことに注意を集中しよう。そのときにわいてきた感情をすべてもう一度味わおう。さあ今度は、「しなやかマインドセット」の世界からそれを眺めてみよう。自分の置かれている立場をありのままに認めたうえで、自分の知的能力や人間的資質がそれで決まってしまうわけではないことを理解しよう。肝心なのは次の点だ。その体験から何を学んだか、あるいは学べるか?どうすればそれを成長に結びつけることができるか?そう考える習慣を身につけよう。❞
引用:「やればできる!」の研究
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どれを選んでもいい
ココまでいろいろと書いてきましたが、私はどれを選んでもいいし、教科によって使い分けてもいいと思っています。①を徹底的にやっていたらいつの間にか②になっていたということもあるでしょうし、ココに書いた以外のものもあると思っています。
勉強のやり方を選ぶのに良い悪いというのはないと思います。推薦入試を使う場合もあるだろうし、学校での勉強の全てが将来必要というわけでもないでしょうから。(GoogleやAppleなど学歴不問とする企業も出てきており、今後もその流れは続くでしょう。参照記事。)
それよりも、自分の思いや目標、現状などを考えながら①~③や自分で見つけたやり方を使い分けていけるようになってほしい。その方が将来役に立つと思います。
参考にしたもの。こちらもぜひご覧ください。
(1) [動画]Hackschooling makes me happy (日本語字幕付)
❝僕にとってスキーは解放を意味し、教育もまた同じです。創造力を使って他のやり方でやることです。コミュニティを大事にし、お互い助けあうことです。大事な仲間に囲まれて幸せで健康でいることです。というわけで僕は大きくなったら何になりたいかわかってきました。でも大人になったら何になりたいか聞かれたら僕の答えはずっと 「幸せになりたい」。❞
(2)[本]成功するのに目標はいらない!―人生を劇的に変える「自分軸」の見つけ方
❝目標があった方がやる気になる人は目標を立てたほうがいい。目標を立てると苦しい人は、自分の価値観を満たすことで成果を出せばいい。両方ある人は場面によって使い分ければいい。誰にも自分流の成功法則があり、それを見つけるきっかけにしてほしいのです。❞
(3)[記事]仕事のやりがいって、ホントに存在するの?|青年失業家・田中泰延のはたらく論
❝わかる、学ぶということ以上の幸せなんてないと思うんですよ。知性や教養が人の人生を面白くしてくれるし、自分の思い込みから解放してくれる。あくまで僕の意見ですけど、大事なのは「何を面白いと感じるか」です。年収を200万円上げることに必死になっているうちは、本当に面白く機嫌よく過ごすことはできないんじゃないですか。❞
(4)[本]13歳からの勉強ノート
❝万人向けの勉強法の本ではありませんし、すべての中高生向けの本でもありません。「少ない勉強量でテストでよい成績をあげるためには、どんな勉強をすればよい?」という疑問を持っている中高生は多いかもしれませんが、本書はそのような人に答える本でもありません。…❞
(5) ラーニング・パターン
❝創造的な学びのデザインは、学びのチャンスを自らつくることから始まる。その上で、何かをつくったり実践したりするなかでつくることによる学びを実践する。学びをひらくことで、新しい発想や深い学びが得られ、さらなる学びへのチャンスへとつながる。❞
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